インターステラーでもっとも不憫な人物「ロミリー」について
クリストファー・ノーラン監督の代表作の一つとして、そして壮大な宇宙を壮大なドラマで描いた『インターステラー』
今回はこの名作におけるある登場人物について掘り下げて見てゆきたいと思う。
記事タイトルにもある、その人物とは
ロミリー
である。
さて、インターステラーを観た人でロミリーが誰なのかすぐ分かる人はどのくらいいるのだろうか?
女性と言えば、主人公の娘として「マーフ」がいる(マッケンジー・フォイかわいいね)
そして共にスペースシャトル「レインジャー」号に乗ったクルーは「アメリア」だ(ショートカットでもアンハサウェイは美人ですね)
というか、
ロミリーは女性ではない
この人物だ
そう、彼は後に『TENET』で名もなき男として活躍する
すまん。ウソだ。
ロミリーを演じた方は「デヴィッド・ジャーシー」という俳優さんで、クラウド・アトラスやダークナイト ライジングにも出ているのだ。
どういった役なのかまでは今回調べていないが、インターステラーよりは報われる役であることを願いたい。
(注:TENETの主演はジョン・デヴィッド・ワシントン)
結局ロミリーって誰よ
うろ覚えの人もいるかと思うので、まずはロミリーについていくつか情報をまとめておきたい。
実際この作品を見た人ならば、
「すげぇ津波の起きる惑星でトラブったため、なんと23年一気に老けちゃった人」
と言われれば
「ああ!あの人か!!」
と一発で思い出すことだろう。
今回はそんな苦労人ロミリーについて見てゆきたい。
まずはロミリーについて分かっていること
主人公クーパーたちは人類の命運をかけてレインジャーに乗り込むことになるが、そこで一緒になるロミリーについてあまり情報は多くない
おそらく、下記1点だけだ
「重力異常について調査していた物理学者」
そう、彼は物理学者なのであって、パイロットでも宇宙飛行士でも無い。
普通に同行してくるので経験があるのかと思いきや、おそらく宇宙に行くこと自体初めてなのだろう。
このあたりの背景はあまり多く語られていないが、食糧問題やそこから起こる紛争か、あるいは希望を失い地球規模に広がる無気力感なのか、どうやら世界中で(現役の)宇宙飛行士の数も足りないようだ。
あるいは劇中でも語られているように予算の問題があるのかもしれない。
いずれにせよ、元パイロットや物理学者、生物学者などを乗せて、
シャトルは出発することとなる!
ここからが大変!ロミリーの壮絶人生
さて、それではそろそろロミリーの不憫ポイントを3段階に分けて見てゆこう。
不憫1:いきなりの船酔い
スペースシャトル「レインジャー号」が地球の大気圏外に出てから、最初に行うミッションは宇宙ステーション「エンデュランス」とのドッキングだ。
打ち上げは順調に進み、緊迫感も漂ったがドッキングも大成功!
(そういえばドッキングの操作を行っていた乗組員の「ドイル」は経験者なのだろうか?)
ステーションを回転させることで、疑似重力を発生させる。
ここまでとてもスムーズだ。
が、ロミリーだけ問題発生!一人船酔い(宇宙酔い)で苦しんでいた。
まさか宇宙飛行士が酔うとは…と思ってはいけない
彼は物理学者なのだ。それもおそらく宇宙に来るプランは彼の中に無かった。
おそらく酔い止めの薬を飲みながら、彼はこう考えていたに違いない
なんでみんなは大丈夫なの?
と…。
不憫2:待ち続けること23年
これはインターステラーという作品を象徴する、とても印象的な場面。
強い重力場にある水の惑星でアクシデントに見舞われたクーパー、アメリア、ドイルとそしてAI搭載万能ロボットのCASEは数時間動けなくなるが、レインジャー号では時間の流れに差が発生していた。
その間ずっと待ち続けることになるロミリー。
一人でいるのが好きな私は、案外こういう状況でも行ける気はする。
それでも1年いたらけっこう辛いとは思う。
いやいやそんなレベルの話ではない。
ロミリーがレインジャー号に残っていた期間はなんと「23年4ヶ月8日」!!!!
ちなみに、彼はコールドスリープするという選択肢もあったが研究を選んだ。
だがその研究データも結局送信できなかったというオチ。
どれだけ不憫なんだよっ!
ちなみにAIロボ「TARS」も船内に残っていたはずなので話し相手はいたのかもしれない。
それにしてもあのロボットの動力源は何なんだ…。
不憫3:マン博士の策略により爆死
しかしクーパーやアメリアと合流できたロミリーのわくわく宇宙冒険は続く。
なんと先に旅立っていた「マン博士」とも会えたのだ!
けど、コイツが残念ながらクズでした。
氷の星に移住できる可能性は低かったとか、生存本能で…と色々説明はあったが
つまり彼がしたことは
「救難信号を出しておいて、誰か来てくれたら殺して自分は帰る」
ということ。
マン博士の調査結果を確認しようとして
結果犠牲者になったのがロミリーである、、
ちなみにこのシーン、私が一番不憫に思うのは
「他のピンチと重なりまくってる」
という点である。
マン博士ともみ合いになり、ヘルメットを割られたことでクーパーは窒息の危機に。
助けに行くアメリア。
さらには地球でも問題発生。
そしてむちゃくちゃ盛り上げてくる音楽(ここのゾクゾクはやばいね)
色んなことが重なりすぎて、
「なんか結局最後に爆発した!」
という印象になる。
あまりはっきりと画面に映らなかったロミリー…。
場面はすぐに変わり逃げるマン博士を追うクーパーたち。
エンデュランスにドッキングさせるな!
まだまだピンチは続く。
ぜひ、振り返って下さい。思い出してあげてください。
この盛り上がりバタバタ緊張感の中、実はロミリー亡くなってました…。
不憫である。。
以上、今回は船酔いからの一人ぼっち、そして最後はバタバタしてるうちに爆死してしまったロミリーについてクローズアップしてみました。
こういった脇役についてじっくり見ていくことで、より作品の深みが増すかもしれませんね。
今回はここまで!